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「あちゃぁ。」
アニスが溜息を洩らす。
「どうかしましたかー、アニース?」
「それがぁ、イオン様がいないんですぅ。なんとなぁくこうなる予感はあったんですけどぉ。」
「その辺りは鮮明ではないんですか、アニスは。」
アニスとは既に、互いが何故か未来に起こりうる記憶を持っている、という風に話をしてある。
「ん~、よく覚えてるのはアクゼリュスのとことかなんですよぉ。」
またあのくっそむかつく頃のルークと旅しなきゃいけないとかマジ勘弁なんですけど……
との呟きに、アニスがスパイだってわかった時は悲しかったですねぇ、と大げさに返せば、むぐぐぅ、と呻く。
「ま、その話は置いておいて。イオン様はチーグルの森ですよ。今頃ルーク達と共に行動しているでしょう。」
「あー!そうだった!どうするんですか大佐ぁ?タルタロスごと行っちゃったほうが早いですけどぉ。」
「いえ、記憶通りに行きましょう。森に入ったばかりだとすれば、タルタロスの走行音が聞こえかねません。」
(めんどくさぁ……)
「ん~?何か言いましたか、アニース?」
「え!?何にも言ってないですよ~たぁいさ☆」
互いにわざとらしく微笑みあい、チーグルの森へと向かった。

二日立て続けに夢を見た。
今日のは結構鮮明で、それでも断片的だったけどイオンって奴がダアト式譜術?
とかいうの使ったせいで体調が悪くなるとか?
元々チーグルって奴らとっ捕まえてやろうと思ってたし、イオンって奴と一緒に森の中行く羽目になるらしいし。
やっぱり最後に一瞬、あのジェイドとかいうヤローが見えたんだけど……
とりあえずイオンって奴に倒れられてもめんどくせーから早くに森に向かった。
なんかヘンな青いうぜぇのとかのせいでライガクイーンとかいうのと戦う羽目になるんだよなぁ……
丁度森ではイオンがモンスターに囲まれたところで、俺は急いで駆け寄った。
「ティア、そいつ頼む!」
「え、えぇ!」
一人で三匹は流石に辛かったけど、何とか倒すことが出来た。
ティアに回復してもらいながら、イオンと話をする。
「あぶねぇーだろ!なんだって一人でこんなとこにいるんだよ!」
「ルーク!そんな言い方酷いわ!」
「いえ、僕が悪いんです。どうしても今回の食料泥棒の件が気になって……。
助けて頂いてありがとうございます。」
「まぁ、無事だったからいいけどよ……。」
その後、イオンがヴァン師匠が探してた導師だって聞いて、しかもティアがヴァンの妹だって聞いて。
頭ん中ぐっちゃぐちゃになったけど、今はチーグルが先だ。
「とにかく、さっさと行くぞ!」
「導師はお帰りになられた方が……。」
「どーせ、また一人で来ちまうだろ、だったら一緒に行動したほうがいいじゃねーか。」
「えぇ、すいませんが、教団の聖獣であるチーグルがこんなことをするなんて、何か理由があると思うんです。
だから僕は……。」
それでもティアは不安そうな顔でイオンを見ている。
「また一人でのこのこ森に入って襲われたら大変じゃねーか。
一緒に行動したほうが守れるし、そのほうが楽だろ。」
「……ありがとうございます!優しいんですね、ルーク殿!」
「ば…ばっかじゃねーの!?いいからとっとと行くぞ!それと、俺のことは呼び捨てでいいからな!」
「はい!ルーク!」


おやおや、苦戦しているようですねぇ。
「まずいわ、攻撃が効いていない……。」
「おい!どーすんだよ!」
さて、本当にどうするか……
ライガ・クイーンを倒せばルークが苦しむ。後々面倒ごとも出てきますしねぇ。
けれど苦しみを知らなければ、ルークはルークに至らない。
「大佐ぁ見てていいんですか?」
「しかたありませんねぇ。」
ルークに向けてライガ・クイーンが放とうとした雷撃を飽和させる。
「どうにかしてあげましょう。二人とも下がっていなさい。」
興奮状態のライガ・クイーンはそれでも私の実力を察知して距離を置いてはいるが、
戦意自体は喪失していないらしい。
さて、気絶させてどこかの森にでも捨て置くか、あぁ、洟垂れにでも後始末させますか。
「すいませんね。」
その言葉と共に最小限に威力を抑えた術を放つ。
刹那、ルークの殺すな!という叫びが聞こえてくる。
直撃を受けたライガ・クイーンはそれでも卵を護るようにして倒れ付した。
「ま、これくらいでいいでしょう。」
振り向けばあっけに取られた様子の二人。
「強い…ただの譜術士じゃないわね……」
ティアは私の強さに警戒心を抱いたのだろう。隣のルークを見れば、複雑そうな顔をしている。
確かに、夢の通りに行動していたはずが、違う結末になったとなれば、悩みもするだろう。
しかも自分の身体とまるで関係ない所での夢との相違。
「トドメは…刺さないんですか、カーティス大佐。」
ティアから向けられた言葉にやれやれと首を振る。
「いいじゃねーか!死なずにすんだならそれで!」
「甘いわねルーク。生まれたライガが人肉を好むことは言ったはずよ。生かせばエンゲーブが危ないわ。」
「冷血女!」
おやおや、結果は変わっても喧嘩はかわりませんねぇ。
「まぁ、私としてはどちらでも構いませんが?」
「構うっつーの!」
そうこうしているうちに、ライガ・クイーンが呻き声を上げ立ち上がろうとする。
ティアが杖を向ける。
「止めろって!こいつらだって自分が住んでた場所追われただけなんだろ!?」
ティアの目の前に立ちはだかり両手を広げるルーク。
「ルーク!危険だから離れて!」
「嫌だ!殺さないって言わないと離れねぇぞ!」
「あなた死にたいの!?」
二人からすれば緊張感にあふれているのだろうけれど、こちらから言えば間抜けな図柄となっている。
何せ、ライガ・クイーンがルークに擦り寄り後頭部を舐めているのだから。
「ちょ、やめろって、なんだよいきなり!」
「ライガ・クイーンさん感謝してるですの!」
ミュウがピョンピョンと跳びながら説明を入れる。
「わあーったから、やめろって!いてててて、舌ザリザっ……いてて。おい、やめろって言え!」
ルークになつくライガ・クイーンの姿に構えた杖をおろしたティアが溜息を吐く。
「いやぁ、人と魔物の友好。美しいですねぇ。」
「美しくぬぇー!!」

「こちらで保護してどこか人里離れた森に放すことも出来ますよ。」
場が落ち着いた頃、そう提案し、皆の同意を得て森を出ることになった。
まぁ、前回同様アニスにタルタロスを呼びに行かせ、ミュウが付いてくることが決まり、
ライガ・クイーンと卵も連れて森の出口まで戻る。
とたんにライガ・クイーンが警戒するように声を上げる。
「なんだなんだ?」
駆け寄ってきたアニスと兵に、きょとんとするばかりで警戒心のかけらも見せないルーク。
お馬鹿さんで可愛いですねぇ。
「そこの二人を捕らえなさい!正体不明の第七音素を放出していたのは、彼らです。」
ライガ・クイーンの喉下に槍の刃を押し当てる。
「ジェイド!二人に乱暴なことは……!」
「ご安心ください。何も殺そうというわけではありませんから。……二人が暴れなければ。」


これから貴方に見せるのは惨い現実。

たとえ傲慢と言われようとも、私は貴方を苦しめ、悲しませる。

そうさせないことも出来るのに。



貴方を至らせる為に。私は貴方を苦しめる。


まあ、タイトルと〆文が矛盾してるとか。
なんで、ライガ・クイーンついてきちゃったんだろう?
話が私の頭を離れてどんどん勝手に進んでいくんですが。

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在宅でPCで何かする人。
趣味:
読書(SS含む)
自己紹介:
完結済みを一気読み(見)するのが好きなため、オワコンに嵌る率が高い。
三大欲求の頂点が睡眠欲。春夏秋冬眠。
仕事が立て込むと音信不通。仕事するか寝るかしかしなくなる。
たまに食う。

 

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