忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

もう二度と離さない。


そう、誓おう。
貴方を二度と離しはしない。
深遠の世界に、やっと手に入れた焔。
この心の奥底に、やっと灯った柔らかな光。
だから

覚悟してください


「と、なると色々準備しなければならないことが出てきますね」
俺もついていくと言うことで話がまとまった。
「そうだな。ルークの……」
「ガイ、ナタリアは王宮に戻りました。ティアは宿屋でしょう」
言われてガイが眉を顰める。
「知ってるが……」
「指の関節が外れたのでしょう?治すなら早いほうがいいと思いますよ」
「……大佐のせいだろうが……」
「剣が握れなくなりたいのでしたらそのままでもいいと思いますが」
「……くっ……。
ルーク、俺ちょっと外に出るから、く れ ぐ れ も気をつけるんだぞ!」
ボソボソと二人で喋っていたかと思えば急に気を付けろって言われても。
なんに?
「そうですね、転んで怪我でもしたら大変です。きちんと私がエスコートしますからね、ルーク♪」
あぁそういうことか。
「大丈夫だって。ほんとガイは心配性だなぁ」
「そういうことじゃないんだけどな……」
「じゃあどういう事だ?」
(あぁ、そんな首を傾げながら上目遣いで覗き込まないでくれっ!抱きしめたくなる!)
「……ガイ」
「そ、それじゃあ後でなルーク。本当に気をつけるんだぞっ!」
なんだか悔しそうに走り去るガイを見送っていると、ジェイドがぽつりと呟いた。
「憐れですねぇ。もう勝負がついている事を知らないのですから……」
クツクツと笑うジェイドがなんか怖かったけど触れないで置こう……。
「でも、準備ったって何かすることあったっけ?」
「本当にありませんか?ルークは後々戦闘に参加するつもりなのでしょう?」
「……さすがジェイド。俺が考えてることなんてお見通しなんだな」
戦闘参加は在り得ないって感じで話を進められてたから、後でこっそり装備を整えようって思って
たのに……。
「当たり前です。伊達に長生きはしていません。7歳のお子様の考えなんて取るに足りませんよ」
「7歳じゃねぇっつうの!ん?そういや俺何歳なんだ?……えっと……8歳か?……いや、んっと……こっちに来てからの……」
「考えても仕方のないことを考えるのはお止しなさい。回帰した後の年数も加算すれば私は50を超えて
しまいます」
「ぶっは!50!?ジジイじゃん!!」
大声を上げて笑ったら、いきなり顎を掴まれた。
「ルーク、今ここでその口を塞いであげても私は一向に構いませんが?」
な、何をするっつうんだ……。何をされるにしても回避したほうが良さそうな、ジェイドの薄ら笑いに俺は涙目になりそうだ。
「すいません、ごめんなさい、謝りますから勘弁してください」
「よろしい」
満足げに手を放す。ここで謝らなかったら何されてたんだろう……。
「もちろん口付けですよ」
な!ななな!心を読んだ!?つうかくっ……口付けって!!!
「動揺してますねぇ。」
まるで悪役みたいにクックックと笑う。
「……お前…まさか心よ……」
「読めませんよ。いえ、読んだと言えるでしょうね。ルークは単純だから思考の予測が立ちやすい」
今、馬鹿にされたよな……
はぁ、結局どうやったってこいつに勝てるわけはないし、もう考えるのやめよう。

「装備品を買いに行くんじゃねぇのか?」
街に下りるんだとばっかり思ってたら、何故か部屋に戻された。
中では嬉しそうにメジャーを握り締めてるメイドが二人。
「先に着る服をどうにかしないといけないでしょう」
あぁ、そっか。薬を飲まなくなったせいで今までの服がぶかぶかだ。
素直に採寸されてたけど、ふと疑問が出来た。
「薬を飲んでいけば体格は戻るだろ?それならズボンだけしっかりベルト締めれば……」
「それまでブカブカの服で戦闘するつもりですか?動き辛いですよ」
それもそうだけど……
「でもそうなると、体格が戻ってきた時にキッツキツになっちまうだろー?」
「体格が元に戻るまでどれくらいの時間が必要か分かっているんですか?戻りきる前に全て型が
つくでしょう」
むー……
そうこうしてるうちに採寸が終わった。
「全て今のルークに見合うように詰めてください」
ジェイドが大きな袋をメイド達に渡す。
「なんだその袋?」
俺の問いかけにメイドが袋を開ける。
「あー!ベルセルクの称号貰った時の服だ!こっちはワイルドセイバー、げっ、ドラゴンバスター
まで……って、なんであるんだよ!?」
「なんででしょうねぇ?とにかく、明日の朝には間に合うようにお願いします」
俺の疑問をさらっとかわして、ジェイドがにっこりとメイド達に笑いかける。
「かしこまりました。ルーク様が着るんですもの、完璧に仕上げましょうね!」
「えぇ、もちろん!ルーク様、楽しみにお待ち下さいませね」
そう言って頭を下げ、出て行こうとしたメイド達にジェイドが声をかけて何か言っていた。
少し、驚いたような顔をしたけど、その後なんか嬉しそうに頷いて二人は改めて頭を下げると部屋を
出て行った。

「なぁ……」
「私がこちらに戻ってきた時に一緒に持って来たんですよ」
あぁ、そうなのか。ってそれも気になったけど、さっきメイド達に何言ったのか聞きたかったんだけど……。
「さっきメイ……」
「ルークが「これはずっと俺がつけるんだ!」と言って離さなかったトゥッティもありますよ」
「マジで!?」
うわー!マジでトゥッティだ!
「今からこれつけてたら……うわー!すげー!」
(……ちょろあまですねぇ。)
響律譜を見ていた俺には、ほくそ笑むジェイドが見えるわけもなく。
「なぁなぁジェイド!アレあるか!?」
「ありますよ」
微笑みながらジェイドが出したのは、自分の戦闘能力を数値化して見せてくれる音機関だ。
ちゃんと名前があるらしいけどアレで通ってるから、覚えてない。
「今俺のレベルがー……えっ!?いちぃ!?」
なんでだよ!だってアクゼリュスまでは俺…いや、アリアだけど戦闘に参加してたのに!
「一ヶ月も寝たきりでしたからね。いいじゃありませんか。レベル1からトゥッティをつけられれば……」
「早く強くなれるか!そうだよなっ!くぅ~ジェイド、ありがとうな!」
「いえいえ、どう致しまして」
「ん?そういえば今のジェイドってレベルいくつなんだ?封印術も掛からなかったし、その後皆で行動
してた時も戦闘参加してたんだろ?」
「えぇ、そうですが……」
「なぁなぁ、ちょっと見せてくれよ!」
音機関を渡すとジェイドはちょっと躊躇った。
「気を落としても知りませんよ?」
「大袈裟だなー、どうせあっても60くらいだろ?直ぐに追いついてやるって!」
溜息をつきながら、ジェイドが音機関を起動させる。
現れた画面を見ても、俺はその数値が理解出来なかった。
「…………壊れてる……わけじゃないよな?」
「壊れてはいないでしょうね。こちらに来た時からこうでしたから」
画面はどこを見ても0で埋め尽くされていた。
「なんだこれ……レベル000?HP0000?」
「音機関の限界なんでしょう。レベルは1.000以上、HPは10.000以上ってことなのでは?」

「…………ありえねぇー!!!!!」

俺の叫びが屋敷中に鳴り響いた。



「ずっり~……」
拗ねたルークに流石にお手上げ状態だった。
「ですから、言ったでしょう」
「そうだけどさー……」
自分のベットに座り込みながら、頬を膨らます。
「こうなると不便なことも多いんですよ?軍に居た頃なんてディストに音機関の細工をさせて、私が起動
した時には全て偽りの数値が出るようにしたり、日常生活でも気に掛けなければならないことが多いん
ですから……」
実際、私がちょっと力加減を間違えようなんて考えれば、初級譜術でもこの世界を破壊出来てしまい
かねない。
「そういえば、ジェイドはなんだっけ……オンジン?とか言うのになっちまったんだっけ」
「オリジンです。精霊王オリジン」
生りたいと思った訳では無い。が、生らざるを得なかった。
「精霊王なぁー……。なんっつーか、お前がちょちょいって動けば全部解決するんじゃねぇの?」
「ちょちょいと解決出来るなら、既にしていますよ。貴方も知っているでしょう?預言の絶大な力を」
その力を打ち破ることが出来るのは、ローレライと同存在であるルークとアッシュだけだ。
「そうだけど…なんか納得いかねーなぁ」
勢いよく、ベットにルークは倒れこむ。
「第七音素は他の音素とは異質な存在です。私はオリジンであってローレライではありません」
「だけど一度融合したんだろ?」
「確かにしましたがね。ですがお互いの力が反発しあって、制御が恐ろしく大変でした。あのままの
状態で居るのは不可能でしたね。維持しようとすれば、音素が反発し合い、音素力が暴発を起こした
でしょう。この世界が跡形もなく吹き飛ぶ程の……」
「げっ……お前そんなあぶなっかしいことしたのかよ……」
私はベットに腰掛け、寝転がっているルークの頬を撫でる。
「そうですね……それ程までに、貴方を求めましたから……」
その言葉に、ルークの口が音無く、「あっ」と型作る。
「ジェイド……。俺……」
ルークの両腕が伸び、私の肩から背にまわる。
ゆったりとした動作から、不意に力を込めて引き寄せられ、軽く唇が触れた。
(急に胸がキュってした。どうやったらジェイドにこの想いを全部伝えられるんだろう。
言葉が見つからなくて……だから……)
自分から起こした動作に、羞恥が湧き上がったのだろう。
ほんのりと、頬が赤く染まる。
それでも腕に込めた力を緩めない。
子供の面影が消える。
「な…なんだよ……」
唇が触れるか触れないかの距離、それでも私がふと、笑ってしまったのを感じ取ったのだろう。
不服そうに眉を寄せる。
「いえ、お子様にしては誘うのが上手いと思いまして」
「んなっ!」
途端に耳まで真っ赤にして、ルークは背に回していた腕を解き、私の肩を掴み顔を離そうとする。
その力に反発し、有無を言わさず唇を重ねる。
歯列をなぞり、舌を吸えば小さく甘い声が漏れる。
肩を掴んだ指先がフルフルと震える。
声も無く喘ぐ。
密やかに、耐える様がかえって欲情を誘うことをこの子供はまだ知らない。
香ることを知らぬ四肢、求めることを知らぬ舌。
まだだ、まだ早い。
手折るには、まだ。
己を乗っ取らんばかりの欲を諌め、唇を離す。
繋がった唾液に目が行ったのだろう。
子供の面影を取り戻し、焦ったように起き上がると口を拭う。
「やはり、まだまだお子様ですね」
茶化すように肩を竦めれば、いつものように否定の言葉を返す。
その姿にただ笑みを返せば余計に腹を立て、頬を膨らましながらそっぽを向く。
「求めたから……、貴方をこうして手に入れることが出来ました……」
背を向けたルークをそのまま抱きしめる。
「俺は物じゃねー……」
ぽつりと呟く。
今は見えないその顔はまだ怒っているのだろうか、それとも……


この腕に収まる小さな貴方を

私はこれからどうしていこうか

香ることを知らぬ青い蕾を

いつ手折ってしまおうか

今すぐに

いや、まだ早い

いつになるだろう、この獣を放つ日は


戦闘能力を測る音機関とか、かなりネタですよね。
レベルとか自分達で言っちゃってるのかなり阿呆ですよねーw

しっかし、前半すっごいギャグっぽかったのに……
なんで最後の最後でこんな雰囲気になっちゃったんだろう?
急激過ぎて、自分で驚いてみました。
え、でもどうしよう。
こんな雰囲気で終わっちゃったら次の話どうやってはじめればいいの……
うわ…本当にどうしよう……

拍手

PR

優しい日差しに


初めて太陽の光がこんなにも優しく感じたのはいつだったっけ
屋敷に軟禁されてた時は四角い空に浮かぶ太陽が眩しすぎて
うぜぇなんて感じてたよな
今想うこの気持ち
きっと いや 絶対一生忘れない
優しい日差しが 俺を歩ませてくれるんだ


「んで、俺かるーくターロ・ウルアシヤなんだけど……。」
あの後ジェイドがみんなに俺が起きたって知らせに行って、みんなから一頻り揉みくちゃにされた。
そのみんな、にアッシュもいて拳骨で殴られたんだけど。
「なんでアッシュがここにいんの?つうかなんで俺家にいるわけ?だっておかしくねぇ?
俺とナタリアが死んだって今頃大慌てになってるはずだろ?それに……」
「一つ一つ答えて行きますから、そんなに慌てないでください。」
ジェイドに止められて頷く。
「まず、今我々の状況が『やり直し』であることを皆承知しています。」
「へ?」
「貴方が寝ている間に関わり合いのあった方々が数多くこちらに戻ってきましてね。」
「ティア、ナタリア、アッシュ。それにインゴベルト陛下とテオドーロ市長ってとこか。
まぁ、他にもまだまだ戻ってこられた方はいるが。」
ガイが指折り数える。
「ミュウがすっごい大変そうだったよねぇ。行ったりきたりで~。」
「まぁ、そのお陰で楽が出来ました。戦争も起こっていませんし、和平も近々結ばれる予定です。」
……なんかトントン調子?あれ?拍子?に進んでるんだな……。
「ですから、アッシュも我々に協力して下さっていますし、
貴方も家でゆっくりと寝こけて居られたわけです。」
嫌味ったらしい言い方は相変わらずで。
「降下作戦もアッシュに手伝ってもらっています。」
「ちっ……これから屑と一緒か……。」
お前も相変わらずだな……。
しかし……状況にただ一人ついていけなくてすっげぇ困ってるんだけど。
「でもさ、パッセージリングに行くとイオンとティアが……。」
「心配ありません。毒の中和は私が出来ますし、
扉を開くことが出来るのはイオン導師一人ではありませんしね。」
「へ?」
まぁ、ジェイドが中和出来るってのはなんとなくわかるけど……
その時、コンコンッとドアをノックする音がした。
扉を開けて入ってきたのはディストと……
「アニスー!!」
一目散にアニスに飛びついた……フローリアン……か?
「まったく、ここまで密かにつれてくるのは骨が折れましたよ。」
ディストが言葉とは裏腹に自慢げな様子を見せる。
「ご苦労様です。」
えっと……まってくれ……頭が……
「フローリアンみんな見てるからっ。」
恥ずかしそうに、困ったようにアニスが抱きつくフローリアンを宥める。
「あ、ごめんね。アニス?」
子犬みたいにシュンとするフローリアン。
「えっと……どういうことだ?」
「フローリアン導師もこちらへ戻ってきたってことよ。」
フローリアン導師……?
「前回の世界、と私たちは呼んでいますが、
そこでフローリアンは導師をアニスは元帥をなさっていたのですわ。」
あー…あぁ……。
「夫婦なんだよ!僕達!」
フローリアンがアニスを抱きしめつつイオンの方を見る。
イオンはにこやかに笑いながら「お似合いですよ。」なんて返した。
フローリアンにとってはイオンはライバルなんだな。
どうしたってアニスはイオンの面影を追っていただろうし……複雑な関係になんなきゃいいけどなぁ。
「まぁ、その話は置いておいて。
でだ、イオンとフローリアンが交互に扉を開いてくれれば、それぞれの負担も少ないだろ?」
「う…うん。」
「万全の態勢、ということです。」
「なんっつーか……。」
なんて言ったらいんだろう。
あんなに大変で、辛かった旅が……う~ん……?
俺の混乱をわかってか、ジェイドが言葉を継ぐ。
「これはやり直し、ですからね。
前もって起こることを知っているのですから、準備も整えられますし、万全は尽くして当然です。
変に悩まずにルークは己の出来ることをすればいいんです。」
「あぁ…そうだな……。考えたってしょうがないか。」
「そうそう、お馬鹿担当のルークが考えることじゃないって♪」
「お馬鹿担当ってなんだよ!アニス!」
きゃはは、と笑いながらアニスが小馬鹿にしたようにあっかんべーをする。
ムカつく~!
俺はアニスをとっ捕まえようと腕を伸ばしたけど、
するっと抜けて走り出し、おしりぺんぺんまでしやがった。
「てめぇー!このやろぉ!」
俺も走り出して、アニスを捕まえようとする。
「ルーク!病み上がりなのですから、走ってはっ!」
ジェイドの言葉が終わるのを待たずに、足がよろける。
倒れるっ!
そう思ったのに、衝撃はなく、俺はジェイドの腕にすっぽり収まってた。
「ルーク、一ヶ月も床に臥していたら体力が落ちていることぐらい容易に理解できるでしょう。」
溜息混じりのジェイド。それでも、優しく笑っている。
「ご…ごめん……。」
「アニスもアニスです。ルークは身体に変化を起こしているのは説明したでしょう。
記憶通りに動かそうとしても身体が付いていかないであろうことも。」
「ごめんなさい……。」
俺の時とは打って変わって、鳥肌が立つくらい怖い声を出したジェイドに、
アニスは体を硬くして謝った。
「だってぇ、なんか嬉しかったんですよぉ~。」
アニスの言葉に周りにいたみんなが頷く。
「そうね、ルークがここにいる。昔に戻ったみたいだもの。嬉しくなるのも仕方ないわ。」
「昔に戻ったみたい、ではなく、昔に戻ったのですわ。」
ふふっと笑ったナタリアに、「そうだったわね。」と言いながらティアも笑う。
みんなの笑顔が感慨深そうで、俺が消えてからどんな苦しみを味わったのか、思う。
「みんな、ご…ありがとな。」
ごめんと言おうとして止めた。
ごめんって言うくらいなら、ありがとうって言ったほうがいい。
それを俺に教えてくれたのはアリアだ。
「そんじゃ、ま。説明も終わったことだ、今日は一応解散ってことでいいだろ。」
アニスたちから不満の声が上がる。
「ルークは病み上がりなのです。
話したいことが沢山あるのは僕も同じですが、ゆっくり休ませて上げなくては。ね、皆さん。」
それぞれに、返事をし、俺にさよならを言って、みんなが屋敷を後にする。

残ったのは屋敷に住むガイと、俺の主治医をしていたらしいジェイドだ。
応接室でいつも父上が座る位置に俺、右にガイ、左にジェイドが座る形で、
紅茶を飲みながらゆっくりしてると、ジェイドがちょっと言い難そうにきり出した。
「ルーク、先ほど言い忘れましたが……。」
「うん?」
「ルークには屋敷に残って頂きます。」
「はぁ!?なんでだよ!」
一緒に行くものと思っていたからびっくりした。
思わず紅茶を噴き出したくらいだ。
「なんでもなにも、お前さんその体じゃ満足に出歩くことも出来ないだろ。」
その体ったって……
「たしかに薬飲んでなかったせいで体付きは変わっちまったけど!」
「そういう意味ではありません。さっきも言ったでしょう?
ずっと床に臥していたせいで今の貴方は筋力が殆どない状態なのです。
さっき転びかけたのだって走れると頭が記憶していたのに対し、
以前の記憶通りの筋力が備わっていなかった故に、体がついていかなかったせいです。」
ガイが無言で頷く。
「でも……だからって……」
「わかってくれ、ルーク。俺たちはお前が心配なんだよ。」
そっと、俺の手を握ろうと右手を伸ばしたガイ。
でもパシンッ!と痛そうな音を立てて、ガイが伸ばした手の甲をジェイドの左手が掴む。
その手を上に上げながら、
「そうです、万が一貴方に危ガイが及ぶようなことがあれば、我々がどうなるかわかりますか?」
なんかガイの右手からボキって音が聞こえたような……
眉間に青筋を浮かべながらジェイドが俺ではなく、ガイを見ながらにっこりと笑う。
「あぁ、そうさ。お前をから守るにはここにいて貰うのが一番なんだ。」
ガイも頬を引き攣らせ、脂汗を浮かべながらジェイドを見つつ笑ってる。
「ようするに……俺が役立たずってことか……?」
そう考えた俺に、二人が同時に違うと言った。
「そうじゃない!本当に心配なんだ!」
「でもそういうことだろ!?満足に動けないから要らないって……」
「ルーク。」
目を伏せて俯いた俺に、ジェイドの優しい声が降る。
「確かに貴方は満足に動けない。
アッシュが居るのでパッセージリングを操作する必要がない上に、戦闘に参加することが出来ない。」
うっわ……本当にただの役立たずじゃん……ジェイドの声が優しいから余計にへこむ。
本当に着いて行っちゃいけないんだって思って。
「貴方のすべき事は、体力の回復です。
その為には我々と行動を共にするよりも、屋敷で鍛錬したほうがずっと早い。」
たしかに、ジェイドの言うとおりだ。
「でも……役立たずだって、迷惑かけるってわかってるけど、一緒に……一緒に行きたいっ……」
ふぅ、とジェイドから溜息が漏れる。
呆れた…かな……。
「ルーク、顔を上げなさい。」
泣きそうなのを堪えて、言われた通りにする。
目線の先には、困ったように笑うジェイドの顔があった。
「わかりました。一緒に行きましょう。」
「本当か!?」
「えぇ。ガイが前衛で貴方を守ります。そうでしょう、ガイ?」
突然話を振られたガイが、「あ…あぁ。もちろんだ。」と言った。
「私が後衛で貴方を守りましょう。まずは満足に歩けるようになることが大切ですからね。」
「ん?それじゃあ俺はルークの傍には居れないってことじゃないか!くっそ…大佐にしてやられた……」
ガイが何かボソボソ言ってるけど、俺は嬉しくってそれどころじゃなかった。
「ありがとうジェイド!ガイも!」
「えぇ、どういたしまして。」
「あ…あぁ。頑張ろうな、ルーク。」


嬉しそうに笑うルーク。

今まで感じたことのない暖かさを得た。

この笑顔を見るために、私は多くを奪った。

微笑みの代償はあまりにも多かった。

それでも私は貴方を求めた。

そして手に入れた。


もう二度と離さない。貴方という存在を。


今までシリアス(ぎみ)路線だったのに、見事に消えたな。
これからは、ほのぼのと、あまあまを盛り込んだお話だらけになるでしょう。
そして、本編の内容はすっ飛ばしながら書くんだろうな私……
ルーク至上主義で突き進ませていただきます!

ちなみにルークが悩んでいたことに明確に答えます。
ジ「ご都合主義ってやつですねw」
管「はいwご都合主義ってやつですw」
ル「なんだそりゃー!」

拍手

お前に認めて欲しい 2


ルークの魂をルークの体に宿す。
本来入るはずであったまっさらな魂と、私の元へ来てくれた魂を。
「これで、どうなるのか……。」
『宿るべき魂が体に残り、そうでない魂はプラネットストームへ還る。』
「簡潔ですね。」
『あぁ……そしてとても惨いことだ。いずれ目覚めるだろう。
目覚めたのち、融合した魂の片方を貰い受けに来よう。』
「そうでした、疑問が……。」
『同じもの、変わりはしない。』
「明確な答えを有難うございます。」
『それでは私は他の者の元へ行かせてもらう。』
「えぇ、わかりました。」
私の魂の片割れも帰し、聖獣は『いずれ、また』とだけ言い残し帰っていった。
そしてルークが目覚めぬまま一ヶ月が過ぎた。

これは、夢なのか?
俺が、なんか言ってる。
皆が怒ってる。
いつも予知夢で見てるのと一緒のはずなのに、なんで俺空から見てるみたいになってるんだろう。
いつもは俺目線なのに。
『俺は親善大使なんだぞ!』
俺が、怒りながらわめく。
「うっわー、こいつ性格最悪じゃん。」
「悪かったな最悪で。」
「うっうわっ!」
突然隣に髪の短い俺が現れた。
「だ……誰だよお前!」
「俺?ルーク。あ、つってもレプリカのほうな。」
「レプリカって……やっぱり師匠が言ってたのってほんとなんだ……。
でも、何だよレプリカってどういうことだよ!」
「それは後々見れる。
それより俺としてはお前が、俺がルークって言ったことに驚かなかったほうが気になるんだけど。」
「それだって驚きだっつうの!どういうことかわけわかんねぇ!」
「ま、それも見てれば分かるって。多分、俺が見てたからさっきのも見れるはずだから……。」
「なんだよ、わっけわっかんねぇな!」
「いいからいいから、黙ってみてろって。」
俺は舌打ちをして、進む夢を見続ける。

静かに、俺の過去を見始めた『ルーク』に小さく聞こえないくらいの声で謝った。
ごめん、それしか言えない。
俺は、お前の位置を奪うんだ。
アッシュから奪ったように、お前の居る位置を、また……

全部、見た。
これが本当なら……俺…おれっ……
本物のルークが俯いてる。
「俺さぁー消えちゃ…うのか…な……。」
明るく言おうとしたのに、勝手に涙が出てきて。
俺、ジェイドのこと好きだった。
ヴァン師匠みたいに、全部受け入れてくれるだけじゃなくって。
怒ってくれて、一緒に考えてくれて。
でも、全部俺の為じゃなかった。
全部目の前にいる、本物のルークの為だった。
泣いて、泣きじゃくって。
その間ずっとルークが背中を撫でてくれた。
嗚咽もとまった頃、ルークがぼそっと呟いた。
「……ごめん。」
乱暴に涙を拭って、笑うように心がけた。
「謝んなよ、俺可哀想みたいじゃん!」
「だって……。」
あー、困らせちまったかな。
「あんたさー、見てきて思ったけど卑屈っつうか、すぐ謝んのやめたほうがいいよ?それ結構ぐさっとくる。」
「ご…ごめん……。」
「まぁいいけどさー。」
話が続かない。
「なぁ、あんたさ、ジェイドのこと好きなの?」
ルークの顔が真っ赤になる。
「やっぱ、そうだよな。俺も好き!まぁ、お前の好きとちがう好きだけど。」
あんな強い想いみちゃったら、何も言えないよ。
この体あんたに還すよ。
だから……だから……。
ゆっくり頬を伝う涙が邪魔だけど、お前に伝えるよ。
「全部、ぜーんぶお前に還すから、幸せになってくれよな!この後ヴァンとまた戦わなくちゃいけないだろうし、
大変だと思うけどあんたとジェイドなら大丈夫だろ。」
あはは、ルークも泣いてら。
「魂は還るんだ。軟禁されて、あの本と出会って、そうだったらいいなって思ってた。
今度は俺幸せになってやるよ。ううん、俺幸せだった。だから……」
何を言いたいのかわかんなくなっちまった。
「俺に名前くんない?」
「え?名前?」
「うん。ルークだったアッシュはあんたにルークって名前くれた。だからあんたが俺に名前くれよ。」
そしたら俺、俺になれる。そう、思う。
ルークが考えるように腕を組む。
「……アリア。」
「なんか、女みたいな名前だな…まぁ、いっか。」
「ご…」
「ごめん?」
「う、ううん。」
慌てたように首を横に振る。
「ありがとう、ルーク。あ、皆には俺の存在言うなよ?
ジェイドは知ってるけど……今きっと大変なはずだし、混乱させたくないし……。」
「でも……いや、わかった。」
「あぁ…還る時が来たのかなぁ。」
意識が遠くなっていくのがわかる。
「ジェイドに伝えて…あんたじゃなかったけど、優しくしてくれて嬉しかったって。
本当はガイにもそういって欲しいけど……。」
「全部終わったらガイにも言うっ!」
体が消えていく。
「うん……ありが…と……」
あーあ、読もうと思って持ってきたありじごくにんの童話読み損ねちまったよ。
そんなことを考えながら、俺は還っていったんだ。

俺 お前に認めて欲しかったよ
きっと 気付いてたんだな
お前がみてるのが俺じゃないって
だからさ幸せになってよ
それが 俺の一番の願い


ありがとう 優しくしてくれて


考えてた内容にきちんと持っていけて良かった……

拍手

お前に認めて欲しい 1


なんかよくわかんねぇけど
お前に認めて欲しいんだよ
あんなに俺の言うこと
真剣に聞いて
真剣に応えてくれたのに
急に冷たくなったりするから!
気になってしょうがないじゃねぇか!


イオンが攫われたり、ナタリアが着いてくるとか言い張ったり、俺にそっくりの奴にあったり……
アクゼリュスまでの道のりは大変だったと思う。
薬を飲まなくなるとすぐに体が変わってきちまうのに、元に戻すのに時間がかかるのが気になる。
みんなにばれるほどの変化ではなかったけど、おかげで前より考え込むようになっちまったし、
ト…トイレちょっと不便だし……。
でも、そんなことよりなによりジェイドが……。
ちらりと盗み見ると、ジェイドはガイ、アニスと話をしていた。
ふとジェイドと目線があって、俺は慌てて目をそらした。
「奥に重体の方々がいるようです。まずは彼等を救出に行きましょう。」
「ですが、ここにいらっしゃる方はどうするのです!?」
ナタリアがまわりを見渡して声を上げた。
「まだそんなに瘴気にやられてない人たちに手伝ってもらおう。
奥はもっと瘴気が深いって話しだし、魔物も出るって話だ。動ける俺たちが行くべきだろう。」
なんだか苦々しい顔をしているガイ。
「……わかりましたわ。」
ナタリアが静かに頷き奥を目指すことになった。
でも、なんでだろう。
救助隊も到着してるはずなのに、まだ沢山の人が残ってる。
俺が瘴気を中和するって分かってるからヴァン師匠が動かさないように指示したのか?
ティアが、第七譜石が見つかったとかで呼び出されて行っちまった。
奥までたどり着くと沢山の人が倒れていた。
駆け寄ろうとしたら、ガイに肩を捉まれた。
「お前さんはやるべきことがあるんだろ?」
「な……なんでガイが知ってんだ?」
さっきこいつらが話してたのはそのことなのか?
「とにかく、俺たちもついていくから。」
「はうぁ、イオンさま、無理しないで下さいね!」
一緒にいたイオンはきょとんた顔をして頷いた。
「とにかく急ぎましょう。私も大仕事が待っているので。」
何が、なんだかわからない。
不安で、心が潰れそうなぐらい不安で。
なんだ?なんでこんなに不安になるんだ!?
でも、みんなに何も言えない……
俺は促されるままに師匠の元に急いだ。

『愚かなレプリカルーク』
冷たい目をした師匠が俺のことを蔑むように……
言うことを聞かない体が、勝手に超振動を起こそうとする。

「うっ…うあーーーーーーーーーー!!!」

ジェイドが駆け寄ってくる。
俺の両腕を取って、何かを呟いた。
その瞬間ジェイドの力みたいなのが体に入ってくる感覚がした。
「くっ…意外と制御が難しい。ルーク!集中しなさい!」
手の先に集中する。
その刹那、膨大な量の記憶が頭の中に流れ込んできた。
「いけないっ!記憶っがっ……ぐっ!」
そのまま、俺は意識を失った。

大地の降下は上手くいった。
正直、ジェイドの旦那があそこまで強い力を持っているとは思わなかった。
気を失ったルークを支えながら、
パッセージリングの力も借りずにゆっくりと大地を降下させちまったんだから。
「なぁ旦那、記憶ってなんだ?」
一室、ルークを寝かせているベッドの傍にみんな集まっている。
「ルークが気を失ったままなのと関係があるんじゃないか?」
大佐は黙ったまま。
「いや、『ルーク』が廃人になったのと……。」
「ちょっとガイ!」
アニスが声を上げる。ティアたちが訳が分からないという顔をしているが、しったこっちゃない。
胸倉を掴もうとしたその時、すごい光が目を覆った。

『やっと、見つけた。』
目の前に現れたのは狐に似た姿をした青い獣。
獣は私たちを一瞥した後、眠るルークに目を向けた。
『何故、ご主人様が……』
「ご主人…さま?」
そういったのは誰だったか。
『我はチーグル族より至る聖獣。ここにいるミュウの未来の姿。』
話を上手く理解できず、少しの間止まってしまった。
その中で一番冷静だったのがミュウであったのは腑に落ちないが。
「ミュウはこんなにかっこよくなるですの?すごいですの!」
『それは別れた未来での話し。お前はお前の未来を歩むことになろう。』
残念そうに耳をたれるミュウに次いで口を開く。
「……なるほど、貴方のその姿がユリアの書に出てくるチーグルという訳ですか。
それで貴方は何をしにここへ?」
何故か私を強く見つめ、何かその先にあるものを見通したかのように唸った。
『本来その世界にあるべき魂を取り戻しに、そしてあるべき器にあるべき魂を宿す為に。』
あるべき器にあるべき魂を……?
『この世界は、今均衡を保てなくなろうとしている。
その原因は魂の重複、そしてここに来ることによって気付いたが魂と器の拒絶。』
理解が出来ない。
聖獣は、ルークの元へ歩み寄る。
『惨いことを…することになる。王よ、手伝って貰おう。他のものは部屋を出るように。』
「ふむ……わかりました。と、いうことですので、皆さんご退室願えますか?」
皆がしぶしぶ部屋を出る。
後で「王」について言及されることになるのだろう。頭が痛い。
「それで?一体どういうことですか。魂と器の拒絶とは。貴方の言う惨いこと、とは?」
『その前に言うべき事がある。皇帝、そしてお主と共に来たものの魂は既に取り戻してある。残る魂は五つ。』
私…ガイ、アニス……ローレライ。
残り一つは?
『お前がルーク様の記憶を取り去ったのち、多くの年月が流れた。
そして私は聖獣に至り、世界が崩壊の時を迎えているのを知る。
その原因は世界を去った魂からくるもの。そして、オリジナルとレプリカの魂の融合からくるもの。
私は融合した魂、その全てを分離した。ルーク様も…また然り。
だがその時、ルーク様の魂は消え失せてしまった。探せど見つからず、私はこの世界へ来ることを先じた。
そして今やっと見つけることが出来た。お前の中に。』
「私の……中に?」
ルークが、ずっと……
『求めたのだろう。お前を。』
私と同じように…ルークも……
『ルーク様の体に宿る魂は本来ルーク様が宿るべきであった魂ではない。
その相異が起きたのは体が本来あるべき形を取らなかった故であろう。』
「…………。」
『惨いことをすることになる。』
魂を入れ替えるということか。
それはつまり今のルークを心を、殺すこと。
何故いつも欲しいものを求めると、悲劇を生むのか。
『悲しみの業はいずれ終わるものだ……』
まるで私の思考を汲み取ったかのように聖獣が呟いた。


文才が…ほすぃ( ゚Д゚)

拍手

深遠

狂おしいほどに貴方を求める
それ故に
貴方を認めることが出来なくなった
もう、どうでもいい
何もかも が
深遠が迫り、私はそれに合えて捉まることを望んだ


「なぁ、ジェイド……。」
「なんです?」
バチカルへ向かう船の中、ルークは歩き回りもせず、私の傍にいる。
冷たく言い放つ言葉に、紡ぐべき言葉を飲み込んだかのようにルークは口を閉ざした。
「言いたいことがあるのならはっきり言ってはどうです?」
「……お前、コーラル城に行ってから…………」
「行ってから?」
言いたい事は理解している。
私の態度の急変が気に食わないのだろう。
だが、気付いてしまったから。
どんなに望もうと私の想うルークは、あの瞬間のルークは手に入らないのだと。
ならばこの記憶だけを抱いて、私は暗闇に生きていくしかないではないか。
「俺…なんか怒らせるようなこと…したか……?」
あぁ、今にも泣きそうな顔して。
悲しみが全体から伝わってくる。
「怒られるようなことをした記憶があるのですか?」
考えるように上を向いてからぼそりと呟いた。
「……ねぇけど。」
「ならば問題はないでしょう。」
話を打ち切るようにそう言って、私は目線を海へと戻す。
ルークは地面に座り込みながらも、傍を離れようとしない。
ヴァンの元へでも行けばいいものを。
「……俺さ、予知夢っていうのかな?昔よく見たんだけどここ数日見なくなったんだよ。」
彼はルークには成り得ない。私のルークは還って来ない。
それならば私は、このルークの記憶のみを抱いて生きていくしかないではないか。
だから私は、記憶を彼には決して渡しはしない。
むしろ今までに流した記憶を、奪いたいぐらいだ。
しかし、今それをすれば大変な事態になることは容易に想像出来た。
「いっつも夢が終わる瞬間、目の赤い男がチラッと見えてさ。お前にそっくり……つうか、お前だった。」
少し、驚きを覚える。
「その後いつもよくわからない思いが湧き出てくるっていうか……
声が聞こえるんだよ。いや、俺の声なんだけど、俺じゃないっていうか……
なんて説明したらいいのかよくわかんねぇんだけど
『俺に気付いて』って……ほんとにわけわかんねぇだろ?」
哀しげに笑いながら私の顔を見上げる。
ルークであるが、ルークではない者の声……?
『気付いて』……?
「その声聞くとさー無性に胸が苦しくなるって言うか、切なくなるって言うか……
あー!俺なに言ってんだろ!なんでもねぇ!」
ルークは頭をがしがしと掻き毟るとスクッと立ち上がった。
その時、広がる海に陸地が現れた。

ルークのアクゼリュス行きが決まる。
ヴァンの元へ面会に行ったルークが浮かない顔をして戻ってきた。
「どうしたルーク、元気ないじゃないか。」
「あ?あぁ、なんでもねぇ。」
俺が、軟禁されてた理由。
俺が記憶喪失になった原因。
英雄になること。
「俺、準備あるしちょっと部屋に戻るわー。」
「早くしろよ、出発はすぐだからな。」
「あぁ。」
部屋に戻ったルークはバフッとベッドへ倒れこんだ。
「俺が英雄かー……。」
考えたことなかったな。
ヴァン師匠は強くてかっこいいし、ああなりたいって思ってた。
師匠が言う通りアクゼリュスを救ったら俺はまた軟禁されるのかな。
でもジェイドぐらい強くなれば捕まったりしないだろうし、軟禁もされなくなるんじゃないかな。
「あー……。」
ジェイド……俺本当になんかしたかな……。
師匠は俺に剣術を教えてくれた。
俺の話真剣に聞いてくれた。
でも旅をして、現実をしたって言うか、なんなんだろうな。
ジェイドは俺の話聞いて、大切なこと沢山教えてくれた。
それに、全力で護ってくれるって……
俺、ジェイドのその言葉が嬉しくて……
「……うあー!!思考が女みてぇになってねぇか俺!?」
こんなこと考えちまうなんて薬しばらく飲んでなかったせいだ!
ぱっぱと準備済ませて皆んとこ行く!
ルークは戻ってきたら読もうと思っていた本と薬を持ち、部屋を勢いよく飛び出した。

気になることがいっぱいある
考えなくちゃいけないこともいっぱいある
でもそれよりなにより
ジェイドが急に冷たくなったことが
気になる
なぁ なんでだよ


お前に認めて欲しい そう思うのはなんでだろう


あぁぁ……J→LからL→JになってるΣ(゚Д゚;三;゚д゚)!?
何故この手はいつも考えていた内容を打ち込んでくれないんだ| `Д´|ノ
しかもコーラル城やっぱり飛ばしちまったよっ!この後アクゼリュスまでぶっ飛びますよー!
しばらくルーク視点に切り替わりますことをご報告しておきます。

拍手

ブログ内検索

 

カウンター

 

カレンダー

03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

 

プロフィール

HN:
理人
性別:
非公開
職業:
在宅でPCで何かする人。
趣味:
読書(SS含む)
自己紹介:
完結済みを一気読み(見)するのが好きなため、オワコンに嵌る率が高い。
三大欲求の頂点が睡眠欲。春夏秋冬眠。
仕事が立て込むと音信不通。仕事するか寝るかしかしなくなる。
たまに食う。

 

リンク