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それが、理由。

今度こそ、貴方と正面から向き合いたい。
私の心はこんなにも、貴方だけを望んでいる。
たとえ傲慢と言われようとも、貴方を傷つけようとする全てから貴方を護りたいと思いつつ
貴方を至らせる為に貴方を傷つけることを厭わない。
傲慢で、強欲で、自分勝手で。
本当にどうしようもない男です。
けれど、貴方を愛している。
私が持っているものは、ただその想いだけ。
貴方が私の全てであるから。
それが、それだけが私がここにいる理由。


セントビナーが神託の騎士団に監視されてたけど、
丁度よくエンゲーブの馬車が来て、乗せてもらうことが出来た。
「それで、アニスとはどこで落ちあうっ!!ルークぅううう!!
突然どこからともなく現れたガイに羽交い絞めにされる。
「なっ、ガイ!どうしたんだ…っつうか、うざいから離れろ!」
地面に押し倒されてスリスリされる。うざいっていうかキメェ!!
「ルークはつれないなぁ……お前を迎えに来るためにはるばる陸路で旅してきたっていうのに……。」
力を込めて抱きしめてくる。いてぇっつうの……
「ん?お前さんちょっと縮んだか?」
「え!?」
「なんか、腰周りも細くなったような……」
うそだろ!?まだ三日しか経ってないってのに……
「感動の再会中にすみませんが、ルーク、紹介してもらえますか、そのセクハラ青年を。」
ジェイドがガイの頭を俺がミュウにやるみたいにグリグリ踏みつける。
(……旦那…青筋立ってないか…?)
「ん、あぁ。こいつガイ。」
立ち上がって服についたほこりを払う。
「おいおい、そんな紹介の仕方はないだろう。」
呆れたように言われても、それ以外の紹介の仕様がねぇじゃねぇか。
「初めまして、俺の名はガイ・セシル。ファブレ家で使用人をさせてもらっていてね。」
かっこつけて挨拶してるけど、後頭部に踏まれた後がくっきり入っててダサいことこの上ない。
イオンと、ジェイドが自己紹介をしながら握手をする。
(いてててて……、なんだ大佐、なんで怒ってるんだ?初対面のはずじゃ……まさか……?)
「初めまして、ガイ。」
(ニヤリと笑われる。マストの上でもワザとらしく行き先を教えてくれたし……
あぁ、こりゃ俺と一緒か。じゃあもしかしてティアも?)
「初めまし……。」
握手を求めるティアに、怯えたようにあとずさるガイ。
「あー、ティア。そいつ女嫌いだから。」
一歩、二歩、三歩。
「ひぃぃ……。」
こいつ、ほんとこういう時ダセェよな。
「わかったわ、貴方には必要以上に近づかないようにする。」
「すまない……。」
(どうやらティアは違うらしいな。)
「さぁ!話がまとまったところで先へ進みましょうか。」
(相変わらず食えないおっさんだよ。)
「あー!ちょっと待ってくれ、ガイ!ちょっとこっちこっち。」
俺はガイを引っ張って皆から離れる。
「なんだなんだ?皆には離せないような話か?あぁ、俺に会えなくて寂しかったのか?」
「ちっげーよ。そうじゃなくて薬だよ薬。持って来てくれたんだろ?」
三日飲まなくてガイが気付くくらいなら、あと五日もしたら完全に体がかわってきちまう。
「あー……すまん。あの時は焦っててな。忘れてきた。」
(実は可愛いルーク見たさにわざと持ってこなかった。すまんルーク。)
「えー!?どーすんだよ!」
「まぁ、ほら、いいじゃないか。中性的なお前さんもなかなか可愛いし。」
「ばっかじゃねーの?」
「いやいや、別に今のルークが可愛くないわけじゃないぞ?今のお前だって十分……」
ペラペラ喋りだすガイを無視して、皆の所に戻る。ほんとこいつって昔からこんな感じで……
しかし、どーっすっかなぁ……途中で手に入れられるような薬じゃないし。
とにかく早く帰るしかないか……。


アニスとの合流地点はカイツール。
向かうにはフーブラス川を越える必要がある。
やはり彼女は来るのでしょうかねぇ。
ルークが川を目の前にして目をキラキラと輝かせる。
違う、あなたはここで靴が濡れるのを嫌がるはず。
ガイの影響か?記憶を宿して戻ってきたガイが、何かしらの影響を与えたのだろうか……。
「さて、行くとしますか。」
ガイの呼びかけに、川を嬉しそうに凝視していたルークが眉をひそめる。
「えー、靴濡れんじゃん。」
言葉に違いはあるが、以前と変わらぬ会話が始まる。
違う、そうか。違っていたのは私だ。
あの時の私は、彼に心を砕いていなかった。
ただ、便利だから利用したに過ぎない。
だから、気付けなかった。
はじめて見る世界に、彼の心はどれほどの喜びを覚えたのだろう。
私達との旅の中で、皆に気付かれないように彼は食い入るようにこの世界を見つめたのか。
いま、そんな彼の心に気付けたことをとても喜ばしく思う。
「ルーク、そういう時は靴を脱げばいいんですよ。ついでに水遊びなんていうのもいいかもしれません。」
少し私が気配を表に出せば魔物は寄ってはこないだろう。
「そうか、ルークは川初めてだもんな。水遊びは楽しいぞ。」
ルークはかったりーと言いながら手を頭上で組む。
言葉とは裏腹に、顔は全力で遊びたい、と主張してる。
その様子に、ガイと目を合わせ互いに苦笑いした。
「ミュウはよく川で遊んだですの!ご主人様と一緒に遊びたいですの!」
飛び跳ねるミュウに、川で遊ぶその姿を想像したであろうティアが何故か頷いている。
「僕も、川で遊びはしたことがありません。少し休憩しつつ遊ぶのもいいかもしれませんね。」
その一言で、まるで説得されてしかたなく折れたかのようにルークが靴を脱ぎ始める。
「あぁ、ルーク。川の中には鋭利な石があるかもしれません。怪我しても…」
「わーってるよ、別に文句なんていわねーって。」
無邪気に川遊びが始まる。

盛大に水をかけられたせいで、水が喉に入ったのだろう、ミュウが苦しそうにむせている。
それを見ていたティアが猛烈な勢いで抗議をしていたが、
そんなティアに恐れもせず水をかけ、ケラケラと笑っている。
そして怒ったティアに思いっきり逆襲を食らう。
岩場に腰かけ、そんなルーク達の様子を見ながら楽しそうに足で水を蹴る導師イオン。
二歳と七歳。これが本来歳相応の遊びなのだろう。
限られた世界で生き、宿命を背負う彼らが少しでも幸せを感じることが出来たら。
そう思うようになった自分に少しの驚きと喜びが湧く。
「私も変わりましたねぇ……。」
「そりゃ、変わりもするんじゃないですか。」
共に様子を見ていたガイが探るように話しかけてきた。
「会ったばかり人間に対して言う言葉ではありませんね。やはり気付きましたか。」
「まぁな。行き先、教えてくれただろ旦那。まぁ、知ってたんだが。」
「そのようですね。あの時の貴方はとっってもダサかったですねぇ。華麗に参上しそこねて。」
思い出したのだろう、ガイは頭を抱えて唸った。
「あー……。ま、まぁそんなことはどうでもいいさ。それより旦那、一つおかしいと思ったことがあるんだが。」
「何ですか?」
「タルタロスに乗ってた連中さ。目が死んでた…いや、生きてるように感じなかったんだが……。」
「あぁ、あれは私が作り出した幻影ですよ。タルタロスが占拠されることは知っていましたから。」
(さらっと怖いことを言う……。)
「普通の人間が出来ることじゃないだろう。もしかして俺がこうなったのもあんたの仕業か?」
(大佐が去った後、オールドラントの音素が在り得ない速さで消失した。そりゃあもう大混乱だったんだ。
その全ての原因は大佐じゃないか、そう陛下と話をしていた。第七音素の完全消失。
その直前に起きたルークの記憶喪失。その全てが大佐の仕業とすれば、
俺のこの状態も説明がつくような気がする。)

「私のせい、なんですかねぇ。私にもよくわかっていないんですよ。少し話が長くなりますが構いませんか?」
ガイが頷く。
「ルークの遺言であったレプリカ研究を再開しました。
まぁ、その為にディストを連れて行ったので犯罪者になってしまいましたが。」
「あぁ、知ってる。」
「研究を進めるうちに、ある理論に到達しました。
難しい話ですので省きますが、その為に大量の音素が必要になりましてね。」
彼に真相を教える気は毛頭無い。それを知れば彼は敵になるだろう。
全てがルークの為である事を、全てがルークを手に入れる為である事を知れば。
恋敵という名の敵に。
「やっぱり旦那の仕業だったか。」
「えぇ。その代わり譜業技術に成り代わるものが発達を見せるでしょうし、問題はないかと思いまして。」
「まぁ、確かに譜業に似た機械って技術が出来たけどな。これが凄いもんで熱の力を使ってじょ」
「その話は追々…聞きませんが、今は話を続けても?」
話が大きくずれそうだったので話を遮った。
「聞かないのかよ!あー、まぁ…すまない。続けてくれ。」
「えぇ。音素集結装置が暴走を起こし、その音素爆破に巻き込まれて死んでしまいました。
その時、集めた音素をどういう訳か体が吸収してしまったようです。」
大筋は変えずに、それでも真相は変えないように話をする。
「……大佐のその在り得ない強さはそのせいか……。」
「得したんでしょうかねぇ?まぁ、死に逝く最中にローレライが現れてこう言いました。
『我が分身であり、我が子であるルークが忍びない』と。
そして今の私の力があればルークを救えるかもしれないとね。」
「その為に時間を遡ったってことか!?」
驚きに声を上げたガイを諌め、今だ飽きずに水遊びを続けるルーク達を見る。
「まぁ、それが事の顛末です。
貴方方が戻ってきたのは多分ローレライが役に立つと思ったからではないですか?」
「あなた方って、つまり俺と旦那以外にもそういう奴がいるってことだよな?」
「えぇ。陛下と、アニスが。てっきりティアやナタリア辺りもそうなるかと思いましたが……ナタリアの様子は?」
「変わった様子は無かったな……。ナタリアのことだ、そんな状況になったら騒ぎ立てるだろうし。」
「まぁ、そうでしょうね。」

「それで、この後どうするんだ?」
「そうですねぇ……しばらくは前回起こった通りに進めていったほうがいいかと。
アニスとも話をしましたが、ローレライを解放することは必要です。
開放しつつ、ルークを救う手立てを考えるというところですかねぇ。
まぁ、この話はアニスとの合流を果してからにしましょう。」
ガイが頷いたところで遊びつかれたルーク達が戻ってきた。


本当は救う手立ては考えてある

いや、既に救うことは出来る

けれど私はそれをしない


歪んだ心 貴方を真に手に入れる為だけに


ごっそり書き直してしまいました(汗
しかし、駄文に拍車がかかっている……
なんだろう、最近萌えが足りない気がする……
カン×ザク(超マイナーカプ)と金×日に萌え萌えしてたせいかっ!

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貴方を至らせる為に 2

非常ハッチが開いた瞬間、ミュウの炎をお見舞いする。
階段を転げ落ちた兵士に邪魔され、銃口を定められないでいた女にジェイドが槍で銃を弾き飛ばす。
その鮮やかな捌きに見とれていたら後ろから電撃を食らった。
「アリエッタ!導師は?」
「大丈夫……。でも……。」
銃口を向けられて、身動きが取れない。
くっそ、どうすりゃいいんだよ!
その時だった。タルタロスの装甲が大きな爪で破られ、ライガ・クイーンが飛び出し、女を踏みつけにする。
「くっ……どういうことだ、アリエッタ!」
「マ…ママ!?」
ライガ・クイーンが一啼きする。
その隙にティアがイオンを連れて避難し、ジェイドがアリエッタって奴を捕らえた。
「さ、おとなしくタルタロスの中へ入っていただきましょう。」
ライガ・クイーンは踏みつけにしていた足をどける。
女が諦めたようにタルタロスへと入っていった。
「貴方もです。魔物を連れて中へ。」
「イオンさま……ママ……あの…あのっ……」
「ギャオォオオン!」
「言うことを聞いてください、アリエッタ。」
アリエッタが悲しそうに階段を登っていき、ハッチが閉まった。

「なぁママってどういうことだ?」
さっきは聞けない状況だったけど正直気になって仕方なかったんだよな。
「さぁ?ライガ・クイーンに聞いてはどうです?」
「あー、まぁそうなんだけど。こいつの通訳うぜぇんだもん。」
語尾にですのー、ですのー。ってなんかむかつくんだよな。
まぁそれでも仕方ないからミュウに通訳をさせると、とんでもない話だった。
アリエッタって奴は小さい頃にライガ・クイーンが拾ったらしい。
その時ライガ・クイーンは生まれたばかりの子供を亡くしたばかりで、育てる気になったって話だ。
そんで、それがあのアリエッタなんだと。
昔ラムダスに勧められて「猛獣に育てられた少女」とか言う本を読んだことあるけど、
まさか本当にそんな状況で育った奴がいるなんて思いもしなかった。
あの時ライガ・クイーンを倒したら、アリエッタの親を殺すことになってたんだ……。
よかった、本当に良かったと思う。
ただでさえ生みの親が居ないのに、育ての親まで亡くしたなんて悲しすぎるもんな。
「なぁ、お前はこれからどうするんだ?」
ミュウの通訳を介して会話をする。
「ライガ・クイーンさんは子供を連れて住める場所を探すそうですの!」
ブタザルなんかよりよっぽど役に立つんだけど、しょうがねぇよな。
生まれたばかりの仔ライガは既に立って原っぱを走り回ってる。
「あのさ、勝手なお願いだってのはわかってんだけどさ……。」
俺が言い淀むとライガ・クイーンが鳴いた。
「人の居ない場所を探すそうですの!
ご主人様に助けられたから、自分と子供は二度と人を食べないそうですの!」
「そっか。ありがとうな、ライガ・クイーン!」
ライガ・クイーンが俺に擦り寄る。
毛がふわふわしてて気持ちいい。
「あぁ、別れの前に、アリエッタにもう私達を襲わないように言ってもらえませんか?」
「もう言ったそうですの!」
あぁ、さっき啼いてたのがそれか?
「でも、従ってくれるかはわからないそうですの!申し訳ないだそうですの!」
「まぁ、アリエッタには立場がありますからね。致し方ないでしょう。
その言葉が抑止力にはなってくれると思いますから、それだけで十分です。」
ライガ・クイーンが鳴くと仔ライガがそばへ走り寄ってきた。
「もう、行くのか?」
肯定するように、頬を一舐めしてから離れ、去っていく。
「ありがとうなー!!」

「いやぁ、しかし、意図せず可哀相なことをしてしまいました。」
走り去るライガ・クイーンと仔供の背中を見守っていると、ジェイドがぽつりと呟いた。
「ん?何がだ?」
タルタロスのマストを見上げるジェイド。
「いえ、なんでも。」
「それで、これからどうしますか大佐?」
昇降機を上げて戻ってきたティアは何故か浮かない顔をしている。
そういやあの銃を持った女のこと教官とか言ってたな……知り合いなんだろうか。
「そうですね。イオン様、アニスはどうしました?」
「それが、奪われた親書を取り戻そうとして魔物に船から落とされてしまって……。
ただ、遺体が見つからないとの話でしたので、無事でいてくれると。」
「まぁ、大丈夫でしょう。アニスですから。」
「そうですね、アニスですから。」
何が大丈夫なのかはわからないけど、確かにアニスなら大丈夫な気がするから不思議だよなぁ。
「それでは、セントビナーへ向かいましょう。アニスとの合流先です。」
「うぉ!声でけぇよ!」
「あぁ、すみません。」
本当にわけのわからねぇ奴だな、ジェイドって。

「そういえば、中にいる奴ら大丈夫かな……。」
確かタルタロスには百十数名乗ってるって言ってたよな……
「生き残りがいるとは思えません。証人を残しては、ローレライ教団とマルクトの間で紛争になりますから。」
「百人以上が…殺されたってことか……」
「行きましょう。私達が捕まったらもっとたくさんの人が戦争で亡くなるんだから……」
ティアの言葉に頷いて、俺たちはセントビナーを目指しタルタロスを後にした。

歩き始めて直ぐ、捕まった時にダアト式譜術を使ったらしいイオンが体調を崩して座り込んだ。
それで休むことになったんだけど、その時神託の騎士が襲ってきて……
斬った……。
仕方がないって皆が言う。
だけど、仕方がないって、そんな言葉で本当は片付けちゃいけないことだと思うんだ……
「どうしました、思いつめた顔をして。」
答えを求めたわけじゃないけど、ジェイドなら、何か……
「ジェイドは……どうして軍人になったんだ?」
「……人を殺すのが怖いですか?」
答えることが出来ずに俯いて。
「貴方の反応はまぁ、当然だと思いますよ。軍人なんて仕事はなるべくない方がいいんでしょうねぇ。」
世界が平和だったら、戦争なんて起こらない。人が人を殺すなんて、酷いこと皆がしなくて済むのに……。
「俺はどうしたらいいんだろう……」
俺が殺した奴らにだって、タルタロスに乗ってた兵士達にだって、家族とか、未来とかいっぱいあったのに……
「手にかけた者をおもうことが出来るのはいいことです。言ったでしょう?」
「あぁ。」
ジェイドはあの時言った。その感情は大切だって、忘れちゃいけないって。
「私は貴方を護ると言いました。けれど、貴方は戦うと言った。」
「……あぁ。」
「貴方はもう自分で答えを出しているんですよ。」
ジェイドが、優しく微笑んでいる。
「俺が、答えを……?」
「えぇ、そうです。ルーク、貴方には出来ることが沢山ある。
奪ってしまった命を胸に、貴方は今を生きている人々の未来をつくっていけばいい。」
「そうか……俺が出来ること。俺がやるべきこと。」
戦争の、回避。
「ですが、ルーク?自分の命も大切になさい。」
「あはは、それもあの時言われたな。」
多分それは、俺が和平に必要だからとかじゃなくて、純粋にそう言ってくれたんだと思う。
「えぇ。貴方に何があろうと、私が全力で護って差し上げますよ。」
そう言うジェイドの眼は、何かを思い出すような、優しくて寂しい眼をしてた。
「なぁ……なんであんたこんなに俺によくしてくれんだ?」
嫌味ったらしいと思ってたのに、所々で優しくて。
「それは……貴方に死なれては和平が成り立ちませんからねぇ。」
ちぇ、やっぱりそれなのかよ!
「あーあ、聞いて損した!もう寝る!」
「えぇ、お休みなさい。」


まだ野宿に慣れていないせいで、眠りづらいのだろう。何度も寝返りを打つルークにそれでも往く先の夢を。

「つくづく、私は酷い男ですね……。」

それでも、私の欲するルークに至らせる為に。

「傲慢で、強欲で。どうしようもない男ですが、それでも貴方を護りますよ。」

深く夢に落ち始めたルークの瞳にキスを降らせて。

「貴方を愛していますから。」




それが、理由。



なっがいよね!なっがいよね!自覚はしてる。入れなくていいような話まで入れてる自覚はしてる。
でも、どうせ逆行書くなら、納得のいくように、自分が楽しめるように書きたいからっ!!(でも駄文
ガイには可哀相なことをしました(爆笑)。
最初は普通に登場予定だったのですが、ライガ・クイーンが着いて来るように書いてしまったせいで、
こうなりました。
だって着いて来たからには活躍させたかったんだ!
うん、ごめんナイスガイ(爆笑)。

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貴方を至らせる為に 1

私は貴方を苦しめる。
悩ませる。
それは全て、真に貴方を欲する故。
貴方を至らせ、今度こそ手に入れる為。
さらさらと融け逝く貴方を……私は二度と見たくはないのです。


タルタロスの中で、説明を受けて。
今はアニスに案内されて艦内を見て回ってる。
でも結局、国家機密だーとか言ってみれねぇ場所の方が多いんだから意味なくねぇか。
途中でイオンと話をした。
イオンが俺といると懐かしい感じがするって。
実を言うと俺もそうなんだ。
何なんだろうな、夢で見てたからとかじゃなくて。
同じ感じ。ほんとに、懐かしいって言い方がぴったりくるような感じ。
すぐ向かい側にいたジェイドを無視しようとしたんだけど、話しかけられた。
「おやー、三方に花ですねぇ。」
ティアが照れたように俯く。アニスなんて体を左右に振ってきゃわ~んとか言ってる。
「大佐!ミュウは男ですの!」
「はい、ですから三方に花と言ったんですよ、ミュウ。」
「は?ちょっと待て、それはあれか?俺を花に数えてんのかおっさん?」
胡散臭い笑みで頷くジェイド。ばっかじゃねーのこいつ!?
「俺のどこが花なんだっつーの!どっからどう見ても男だろうが!」
「えぇ、そうですが。」
そうですが。じゃぬぇ!!
まだ薬を飲まなくなって二日しか経ってない。
変化だって無いはずだ。
「男女問わず、綺麗な者は花と形容されると思いますよ。」
こいつ……ガイ並みのタラシじゃねぇか。
「でしたら四方に花ですの!ジェイドさんも綺麗ですの!」
「おやー、ありがとうございます、ミュウ。」
跳び回るブタザルをグリグリ踏みつける。横でティアが非難の目で見てるけど関係ねぇ。
仕舞いには話が聞こえていたらしいイオンが近づいてきて
「確かにルークは美人ですね。」とか言いやがるし!
「だー!!部屋に戻る!」
俺は皆を残して走りだした。
「待ってくださいですのぉ~!!」
「うっせぇブタザル!!」

(あー……あー……)
部屋に戻って、兵士にジェイドを呼ぶように言った。
どうせキムラスカでも軟禁されてたんだ。迷いながら二人で進むよりは楽だし、戦争は俺だって止めたい。
無駄に血が流される必要なんてない。俺でも役に立つなら、喜んで協力する。
だけど、話の中でのジェイドの態度がムカついて、
態度で示せって言ったらあいつ俺の手の甲にキスまでして頭下げやがって……
だから女じゃぬぇっつうの!!!
何なんだよあいつ。わけがわからねぇ。
「おっと!この坊主の首とばされたくなかったら動くなよ。」
はっ!そうだ、こんなこと考えてる場合じゃねぇ。
首筋ぎりぎりに当てられた鎌の刃。
緊迫した空気が流れてるっつうのに俺は……

ラルゴとか言われた奴が四角い小さな箱を投げる。
ジェイドの頭上で止まったその箱からでた青い光がジェイドを包む。
ティアも焦ってるし、ぼーっと見ていていいもんじゃないんだろうけど、
ジェイドは突っ立ってその箱を見上げている。
「導師の譜術を封じる為に持ってきたが、こんなところで使う羽目にはるとはな。」
「あぁ、そういえば封印術は国家予算の1/10は掛かるものでしたねぇ。
それを使っていただけるとは光栄ですが。」
たけぇー!!俺はへたり込みながらジェイドの様子を見てるしか出来ない。
「ですが残念なことに、もう解除してしまいましたが?」
「なっ!?」
驚愕するラルゴに、ジェイドはどこからともなく槍を出して突き刺した。
「アニス!イオン様を!」
ジェイドたちが何を喋ってるのか、聞こえてこない。
ただ、目の前に広がる槍と突き刺された体と、流れ落ちる血と……
「……さ、刺した……」
ラルゴが崩れ落ちる。
ティアたちの話は聞こえてたけれど、俺は動けないでいた。
「行きましょうルーク。……ルーク!」
「あ…あぁ……。」
倒れたままのラルゴ……

「なぁ…さっきのラルゴとかいうやつ…死んじまったのかな……。」
移動するなかで、ジェイドに話しかける。
「そのつもりで攻撃しましたがねぇ。生きているとなると、少々厄介ですよ。」
あの衝撃が収まらない。
「……何も、殺すことなかったんじゃねぇか?」
「おやおや、あちらは殺してもよく、こちらは殺してはいけないとなると、道理が通りませんねぇ。」
確かに、そうかもしれないけど……
「けどよぉ……」
見上げれば、ジェイドが真剣な目で俺を見ていた。
「貴方の気持ちはわかります。ですがここが戦場というのも事実です。」
「…………。」
頭を優しく撫でられる。
「辛いかもしれませんが、身を守る為には仕方のないことなのですよ。貴方も実感する時が来ます。」
最後の言葉が、なんだか辛そうに聞こえた。
俺も……あんな風に人を…人を殺す時が……?
離れていくジェイドが「すいません……」と呟いた。

その時は、直ぐだった。
ジェイドとティアが居なくなって、俺とミュウで見張りをしていて……
騒いでた拍子に起きちまった兵士と……
その後のことはあまり覚えてない。
ヘンなやつらに襲われて、気絶して……
体が、震える。
あいつ、本気だった。
殺らなきゃ、殺られてた……
「ルーク……」
「俺が刺した…俺が…殺した……」
手に残る感触。
「ここは戦場よ。世界では、戦えるものは子供ですら剣を取っているわ。」
ティアが何か言ってる。
「ルーク、ルーク。こちらを見なさい。」
ジェイドに両肩を掴まれて。
「命は大切です。だからこそ、貴方は今、悔い、そして恐怖している。
その感情は大切です。忘れてはいけない。けれど、貴方の命も大切なものです。
戦場は、生きるか死ぬかです。戦いたくないのなら、戦わなくていい。
貴方は私が全力で護り抜きます。ですから……」
見つめるジェイドの眼が優しかったから、悲しそうだったから。
「戦う……俺も戦える。」
「ルーク……」
「戦える奴が戦わないで、戦わないでいい奴が戦うなんて、そんなのねぇだろ?」
ガイに聞かされたことがある。ホド戦争で、10歳にもならない子供が剣を持って戦ったって。
そうやって、いっぱいの命が失われたんだって。
「それでは……行きましょうか。」
ジェイドが何かを投げて、柵を壊す。
「死霊使いの名において命じる。作戦名『骸狩り』始動せよ!」


まぁ、本編まんまな性格のルークではない設定です。
ガイが少しはいい子に教育しただろう。きっと。たぶん。おそらく。

もちろんリゾートキングで進めていたんですが(ォィ)
ルークにジェイドが膝をついてお願いするシーンにてうっすら、
ボクサーパンツ的な形をした黒い海パンを確認して狂喜乱舞していたんですが(変態)
その後、アッシュに襲われるシーンで、ルークとティアが倒れてジェイドが跳んで避けるところで、
モロ見えました。
Σ緑のブリーフタイプ!?Σ(゚Д゚;三;゚д゚)!?もkk(ry!?
はい、ものすごい衝撃でした。

拍手

「あちゃぁ。」
アニスが溜息を洩らす。
「どうかしましたかー、アニース?」
「それがぁ、イオン様がいないんですぅ。なんとなぁくこうなる予感はあったんですけどぉ。」
「その辺りは鮮明ではないんですか、アニスは。」
アニスとは既に、互いが何故か未来に起こりうる記憶を持っている、という風に話をしてある。
「ん~、よく覚えてるのはアクゼリュスのとことかなんですよぉ。」
またあのくっそむかつく頃のルークと旅しなきゃいけないとかマジ勘弁なんですけど……
との呟きに、アニスがスパイだってわかった時は悲しかったですねぇ、と大げさに返せば、むぐぐぅ、と呻く。
「ま、その話は置いておいて。イオン様はチーグルの森ですよ。今頃ルーク達と共に行動しているでしょう。」
「あー!そうだった!どうするんですか大佐ぁ?タルタロスごと行っちゃったほうが早いですけどぉ。」
「いえ、記憶通りに行きましょう。森に入ったばかりだとすれば、タルタロスの走行音が聞こえかねません。」
(めんどくさぁ……)
「ん~?何か言いましたか、アニース?」
「え!?何にも言ってないですよ~たぁいさ☆」
互いにわざとらしく微笑みあい、チーグルの森へと向かった。

二日立て続けに夢を見た。
今日のは結構鮮明で、それでも断片的だったけどイオンって奴がダアト式譜術?
とかいうの使ったせいで体調が悪くなるとか?
元々チーグルって奴らとっ捕まえてやろうと思ってたし、イオンって奴と一緒に森の中行く羽目になるらしいし。
やっぱり最後に一瞬、あのジェイドとかいうヤローが見えたんだけど……
とりあえずイオンって奴に倒れられてもめんどくせーから早くに森に向かった。
なんかヘンな青いうぜぇのとかのせいでライガクイーンとかいうのと戦う羽目になるんだよなぁ……
丁度森ではイオンがモンスターに囲まれたところで、俺は急いで駆け寄った。
「ティア、そいつ頼む!」
「え、えぇ!」
一人で三匹は流石に辛かったけど、何とか倒すことが出来た。
ティアに回復してもらいながら、イオンと話をする。
「あぶねぇーだろ!なんだって一人でこんなとこにいるんだよ!」
「ルーク!そんな言い方酷いわ!」
「いえ、僕が悪いんです。どうしても今回の食料泥棒の件が気になって……。
助けて頂いてありがとうございます。」
「まぁ、無事だったからいいけどよ……。」
その後、イオンがヴァン師匠が探してた導師だって聞いて、しかもティアがヴァンの妹だって聞いて。
頭ん中ぐっちゃぐちゃになったけど、今はチーグルが先だ。
「とにかく、さっさと行くぞ!」
「導師はお帰りになられた方が……。」
「どーせ、また一人で来ちまうだろ、だったら一緒に行動したほうがいいじゃねーか。」
「えぇ、すいませんが、教団の聖獣であるチーグルがこんなことをするなんて、何か理由があると思うんです。
だから僕は……。」
それでもティアは不安そうな顔でイオンを見ている。
「また一人でのこのこ森に入って襲われたら大変じゃねーか。
一緒に行動したほうが守れるし、そのほうが楽だろ。」
「……ありがとうございます!優しいんですね、ルーク殿!」
「ば…ばっかじゃねーの!?いいからとっとと行くぞ!それと、俺のことは呼び捨てでいいからな!」
「はい!ルーク!」


おやおや、苦戦しているようですねぇ。
「まずいわ、攻撃が効いていない……。」
「おい!どーすんだよ!」
さて、本当にどうするか……
ライガ・クイーンを倒せばルークが苦しむ。後々面倒ごとも出てきますしねぇ。
けれど苦しみを知らなければ、ルークはルークに至らない。
「大佐ぁ見てていいんですか?」
「しかたありませんねぇ。」
ルークに向けてライガ・クイーンが放とうとした雷撃を飽和させる。
「どうにかしてあげましょう。二人とも下がっていなさい。」
興奮状態のライガ・クイーンはそれでも私の実力を察知して距離を置いてはいるが、
戦意自体は喪失していないらしい。
さて、気絶させてどこかの森にでも捨て置くか、あぁ、洟垂れにでも後始末させますか。
「すいませんね。」
その言葉と共に最小限に威力を抑えた術を放つ。
刹那、ルークの殺すな!という叫びが聞こえてくる。
直撃を受けたライガ・クイーンはそれでも卵を護るようにして倒れ付した。
「ま、これくらいでいいでしょう。」
振り向けばあっけに取られた様子の二人。
「強い…ただの譜術士じゃないわね……」
ティアは私の強さに警戒心を抱いたのだろう。隣のルークを見れば、複雑そうな顔をしている。
確かに、夢の通りに行動していたはずが、違う結末になったとなれば、悩みもするだろう。
しかも自分の身体とまるで関係ない所での夢との相違。
「トドメは…刺さないんですか、カーティス大佐。」
ティアから向けられた言葉にやれやれと首を振る。
「いいじゃねーか!死なずにすんだならそれで!」
「甘いわねルーク。生まれたライガが人肉を好むことは言ったはずよ。生かせばエンゲーブが危ないわ。」
「冷血女!」
おやおや、結果は変わっても喧嘩はかわりませんねぇ。
「まぁ、私としてはどちらでも構いませんが?」
「構うっつーの!」
そうこうしているうちに、ライガ・クイーンが呻き声を上げ立ち上がろうとする。
ティアが杖を向ける。
「止めろって!こいつらだって自分が住んでた場所追われただけなんだろ!?」
ティアの目の前に立ちはだかり両手を広げるルーク。
「ルーク!危険だから離れて!」
「嫌だ!殺さないって言わないと離れねぇぞ!」
「あなた死にたいの!?」
二人からすれば緊張感にあふれているのだろうけれど、こちらから言えば間抜けな図柄となっている。
何せ、ライガ・クイーンがルークに擦り寄り後頭部を舐めているのだから。
「ちょ、やめろって、なんだよいきなり!」
「ライガ・クイーンさん感謝してるですの!」
ミュウがピョンピョンと跳びながら説明を入れる。
「わあーったから、やめろって!いてててて、舌ザリザっ……いてて。おい、やめろって言え!」
ルークになつくライガ・クイーンの姿に構えた杖をおろしたティアが溜息を吐く。
「いやぁ、人と魔物の友好。美しいですねぇ。」
「美しくぬぇー!!」

「こちらで保護してどこか人里離れた森に放すことも出来ますよ。」
場が落ち着いた頃、そう提案し、皆の同意を得て森を出ることになった。
まぁ、前回同様アニスにタルタロスを呼びに行かせ、ミュウが付いてくることが決まり、
ライガ・クイーンと卵も連れて森の出口まで戻る。
とたんにライガ・クイーンが警戒するように声を上げる。
「なんだなんだ?」
駆け寄ってきたアニスと兵に、きょとんとするばかりで警戒心のかけらも見せないルーク。
お馬鹿さんで可愛いですねぇ。
「そこの二人を捕らえなさい!正体不明の第七音素を放出していたのは、彼らです。」
ライガ・クイーンの喉下に槍の刃を押し当てる。
「ジェイド!二人に乱暴なことは……!」
「ご安心ください。何も殺そうというわけではありませんから。……二人が暴れなければ。」


これから貴方に見せるのは惨い現実。

たとえ傲慢と言われようとも、私は貴方を苦しめ、悲しませる。

そうさせないことも出来るのに。



貴方を至らせる為に。私は貴方を苦しめる。


まあ、タイトルと〆文が矛盾してるとか。
なんで、ライガ・クイーンついてきちゃったんだろう?
話が私の頭を離れてどんどん勝手に進んでいくんですが。

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私の心はこんなにも

ティア…馭車…ペンダント…形見……?
タルタロス……エンゲーブ……
『…じぇ……?』

「起きて!」
ボーっとする頭を振って辺りを見渡す。
ここは……さっき夢で見た……
「私はティア、どうやら貴方と私の間で擬似超振動が起きたようね。」
しばらくティアって奴が喋ってるのを聞いてた。
なんでヴァン師匠を襲ったのかとか、気になることがいっぱいあったんだけど、最後に一瞬、
本当に一瞬出てきた赤い眼の男のことが気になって。
いつも夢の終りに見るあの男のことが。
その瞬間俺の声なのに俺じゃない奴の声が聞こえるんだ。
悲しそうに「俺を見つけて」って言う声が。
「ごめんなさい、責任はと……」
「あー!!!」
「へ!?何!?」
すっかり忘れてた!薬……あぁぁぁぁ~…………
「どうかしたの?」
言えるかっつの!薬がないと男じゃなくなる、なんてなさけねーこと誰が言うもんか。
「なんでもねぇ。とにかくはやくここ抜けようぜ。」
「えぇ……。」

途中で実践のレクチャーを受けながら何とか渓谷を抜ける。
(あー、居やがった。馭車。)
ティアがペンダントを渡そうとする。
(なんか、あのペンダントのせいで苦労するっぽかったなぁ。)
「これでいいだろ。」
ブレスレットを外して馭車に渡す。
「ルーク、ダメよ。ただでさえ私のせいで……」
「あー!いいんだよ!なんか遠い血縁とかいう奴がくれた奴だし、別にいらねぇし。」
金で出来たブレスレットには、丁寧な炎の模様彫りと小さなダイアがちりばめられている。
「こ、これは……。」
見るからに、超がつく高級なブレスレットを渡され、男は息を呑んだ。
売れば一生を遊んで暮らせるだろう。
急いで辻馬車を掃除しにいった馭車を見送り、ルークはタタル渓谷を一望する。
いまさらながらに外にいるんだ、という実感を噛み締めていると、ティアが小さく「ありがとう……」と呟いた。

タルタロスに追われていた漆黒の翼により橋を壊され、それにより今いる場所がマルクト領と聞かされ、
引き返すことも叶わず結局付いたのはエンゲーブという村だった。
今までと違って途切れ途切れに、譜業写真を見るかのような夢だったせいだろう。
(こうなるって見れてりゃ、こんなめんどうなことにはならなかったのに、なんなんだよっ!)
夢に八つ当たりしてもどうしようもないことはわかっていても、納得が行くはずもない。
しかも、泥棒と間違われ、突き出されそうになっているのだ。


あぁ、ルークが来ますね。
待ちに待った、再開の時。
いや、ルークからすれば初めての出会いになるわけですが。
柄にも無く強く、早く鼓動する胸、自然と緩む頬。
「おや、大佐。どうかしたんですか?」
「いいえ、何でもありません。」
ドアが開き、ルークが村民に蹴り飛ばされる。
「おっと、大丈夫ですか?」
倒れる前に抱き止る。
「あ…あぁ。」
(こいつ……夢で…)
視線が交じり合えば、つと目線をそらされて。
そんなつれない態度すら、愛おしく感じる。
「いけませんねぇ、何があったかは知りませんが。」
眼を細めて睨み上げれば村民は竦みあがりつつも、興奮した様子でルークを泥棒と言い張る。
やっぱり林檎を盗み食いしてしまったんですねぇ。
まぁ、そう行動してくださらないとこちらが困りますが。
仕舞いには、漆黒の翼だ、食料泥棒だと言い立てる村民をローズ夫人が諌める。
「私はマルクト帝国軍第三師団所属ジェイド・カーティス大佐です。あなたは?」
「ルーク。ルーク・フォ……」
「ルーク!」
記憶のままにティアに止められるルーク。ここまでは順調ですねぇ。
ルークの身体構造の改造影響が出ていないのが怖いくらいに。
イオン様が現れ、食料泥棒の誤解も解け、家を去るルークが振り返る。
記憶にあるのは、イオン様を見つめるルーク。
だがしかし、何故かルークは私を見つめ、眉を顰めた。
おかしいですね……まだルークには私に関する記憶は見せていないはず。
ある程度の改編のせいか…それともなにか……
不安とも取れない、感情に見舞われながらも、ローズ夫人との会話を終えタルタロスへと戻る。
明日は、ルークとの旅の始まり。


傲慢故に

貴方に私は辛い思いをさせる

私はまた貴方を傷つける

だから、それまでは貴方を護ろう。

その後は、貴方を護ろう。

時がくるまで、貴方に辛い思いはさせない 傷つけさせはしない


たとえ傲慢と言われようとも、貴方に悲しみを与えはしない。


本当はティアとナタリアも(PTメンバー全員)逆行させようかと思ったんですが、
ストーリーが屑つまらなくなる上にマッハで終わる悪寒がしたので、却下。
ストーリーの細かな台詞把握の為に(活かせてない)プレイしながら書いているんですが、
調子こいてタオラーにしたんですけどね、ケリーに首根っこ掴まれてプラプラするシーン……
痛くねぇかそれΣ(゚Д゚;三;゚д゚)!?

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プロフィール

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理人
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非公開
職業:
在宅でPCで何かする人。
趣味:
読書(SS含む)
自己紹介:
完結済みを一気読み(見)するのが好きなため、オワコンに嵌る率が高い。
三大欲求の頂点が睡眠欲。春夏秋冬眠。
仕事が立て込むと音信不通。仕事するか寝るかしかしなくなる。
たまに食う。

 

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