魂が、ざわめく
何かが壊れるような予感
考えを放棄すれば いい
けれどこの頭は勝手に分析を開始する
とめどなく、知識の波に溺れるように
いっそはやく結論に至ってしまえばいい
そしてそのままこの波に攫われ死してしまえたら
記憶の共有は出来ない。
たとえ同じ場所に、同じ時を過ごせど視点、感情はそれぞれ異なる。
そして私が保持しているルークの記憶もまた、蓄積された記憶という名の物体を分離し、保護し、
ルークへと返還しているだけであって、
私がルークの記憶を垣間見ることが出来はしてもルークの記憶をそっくり私が見ているわけではない。
ルークへと返還した記憶はもう私の手元にはない。
以前の記憶を持つガイは、それでも以前のガイではない。
アニスも、ピオニーもまた……
人とは?感情とは、性格とは人格とは……
何故、気付いてしまったのか
何故、夢を見続けることが出来ないのか
貴方に逢いたい
ただ、逢いたいだけだというのに
こんなにも近くにいて、こんなにも遠い
ただ素直に笑うルーク
私に懐き、話に耳を傾けるルーク
少しずつ進む背中
紡ぐ物語は 貴方を幸せに導き
私を不幸へと陥れる
そう、か。
力とはこんなにも無力だったのか。
知識とはこんなにも無力だったのか。
ルークの記憶を手に入れたこの力。
そしてルークが帰ってこないことを導き出してしまう知識。
以前の記憶を持ちはしても、いや、持っているからこそ彼等は彼等では無くなってしまっている。
それはとても小さな違和感ではあるが。
何もせず、ただ流れに任せていればよかったのだろうか。
半端に手に入れた力故に、私は彼を違うものに変えてしまったのだろうか。
魂が、ざわめく
何かが壊れた音
至ってしまった 結論
けれどこの心はそれを拒絶する
とめどなく、感情の波に溺れるように
いっそはやく終わってしまえばいい
そしてそのままこの波に攫われ死してしまえたら
深遠に捉まった
今回はジェイドの独白と言うことで。
ちょっと自分の中でジェイドの心境を整理しないと続きが書けない事に気付きまして;
「歪んだ 心」のせいで物語が大変なことにヽ(゚Д゚;)ノ
こうなるはずじゃなかったのに!

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